私はフリーランスの映像作家として活動して今年で17年目になります。現在は広告などを中心に活動していますが、記録、ドキュメンタリー、ウェディングなど様々な分野の映像に携わってきました。そのキャリアは映像の進化と共にあり、SDからHD、4K、そして8Kと、カメラの発展と共に、その進化のスピードは加速するばかりです。
総務省から「4K・8K推進のためのロードマップ」が公開されたのは2014年9月。当時は4Kの普及すらまだまだで、8Kなんて夢のまた夢だと思っていた人も多いと思います。時は流れ2021年の今、どうでしょうか?放送はもちろん、シネマカメラは当然のごとく、ミラーレス一眼でも8Kの映像素材が撮影・編集可能になってきました。
実際、私もここ数年はRED® HELIUM™ 8Kというシネマカメラを所持し、8K収録を行っています。現状は8Kの視聴環境が整っていないため、コンテンツ的には良くても4K納品やHD作品が多いのが実情です。でもこれからは8Kでの納品や作品が増えていくと予測されます。また、変化していくのは解像度だけでなく、SDRからHDRヘ。カラースペースもBT.709からBT.2020を通り越しBT.2100(HLG)へ。輝度と色域が広くなり、私たちが目で見える世界との境界線がどんどん無くなってきます。
そんな2021年の6月、SHARPから業務用の8Kカラーマネジメントディスプレイが登場しました。8K対応の液晶テレビAQUOSは発売されていますが、32V型の8K HDR対応カラーマネジメントディスプレイは世界初です。私達の世界に何をもたらすのでしょうか?今回、この製品をテストして感じたことは、近い将来、これが当たり前のものになるだろうなと不思議な実感がありました。触って感じたことをレビューさせていただきます。