導入事例

株式会社 関西メディカルシステムズ 様

株式会社関西メディカルシステムズは“置き薬”を近代的なビジネスとして展開している株式会社インターナショナルホームメディカルのグループ企業。関西2府4県をエリアとして一般家庭・企業を訪問し、配置薬を展開している。

今期、薬品の配置期限管理など、入出庫のオペレーション業務の効率化に向けて、シャープのハンディブレイン RZ-H240を導入した。その狙いと活用方法を見ていこう。

導入の目的

期限切れが近い薬を確実に回収するためのオペレーション改革

  • 管理部長
    円谷重之 氏

配置薬は、以前は“富山の置き薬”に代表されるように、広く利用されてきた医薬品の販売手法のひとつだった。しかし伝統的な置き薬商法は、個人事業的な色彩が強く、チェーンオペレーションを展開するドラッグストアなどに押され気味でもあった。

これを近代的なビジネスとして改めて事業化したのが株式会社インターナショナルホームメディカルだ。株式会社関西メディカルシステムズはグループ企業の一つで、関西地区を販路としており、すでに25期を迎えている。今後は高齢化が進むことで、さらに配置薬の意義が見直されていくことも考えられる。

関西メディカルシステムズ管理部長 円谷重之氏は「風邪薬、胃腸薬といった基本的な医薬品だけでなく、医薬部外品、健康補助食品、化粧品、医療用具など商品の幅も広い上に、一軒一軒お客様のお宅を訪問し、時には話し相手になって健康相談に応えるなど、非常に手間のかかる仕事です。しかし、訪問形式だからこそ、顧客のためを思い、日頃の健康管理や、セルフメディケーションによる医療費の抑制など、社会貢献をめざすという当社の理念が実現できます。そのためにも、少しでも業務の効率化を図りたいというのが導入の狙いでした」と語る。

これまでも携帯端末を部分的に利用してきたが、特殊な業務内容を含むため、なかなか有効に活用できない面があったという。中でももっとも重要なのが、薬の製造年月日によって決められている配置期限の管理だ。

薬は各家庭に配置されるので、次回の訪問までに期限が切れるような薬を置いておくわけにはいかない。この管理を徹底し、期限切れが近い商品は着実に回収していくことが、顧客からの信用にもつながる

システム概要図

システム概要図

現在の利用状況

件数増加による遅配とミスの増加対策の決め手としてハンディブレインを導入

  • 仕入れ時に倉庫に入る商品は専用のバーコードが添付され、在庫管理、期限管理の基本情報となる

同社の基本的な業務の流れは次のようなものだ。まず新規の顧客開拓に向けて「新懸(しんがけ)」と呼ばれる飛込み営業を行なう。勧誘によって契約が成立した場合は、以後、基本的な10品目程度の医薬品が入った専用の薬箱を配置して、2〜3か月に1度程度訪問。その間に使用した分については代金を回収し、必要な薬の補充を行なう。

また顧客とのコミュニケーションを通じて、基本的な10品目に入っていない健康食品などについても紹介し、販売していくことになる。

同社の場合、大阪府吹田市の本社・営業所のほか、5カ所の営業所と、それに付随する小規模な3カ所の出張所を持つ。

各営業所に薬の倉庫があり、担当者はそこからその都度出庫し、回収した期限切れの薬はデータ処理をして倉庫に戻すのが基本パターンだ。

まず商品管理のために、すべての商品の仕入時に配置期限が設定された独自のバーコードを添付して入庫する。担当者はシャープのハンディブレイン「RZ-H240」を1台ずつ持ち、倉庫から出庫する時には「RZ-H240」でバーコードを読み取り、出庫処理をすると同時に、自動的に期限の確認も行なわれるため、期限切れが近い商品は出庫できない。

  • 写真:各家庭で薬のバーコードをスキャン

    各家庭には専用の薬箱を設置。
    家庭で薬のバーコードを読み込んで商品管理を徹底する

  • 画像:メニュー画面イメージ

    メニュー画面は「廻商」など、
    専門用語を盛り込んでカスタマイズされている

また各家庭では、使用した分の薬のバーコードをスキャンし、決済を行なう。領収書はハンディタイプのプリンタを持ち歩き、その場で発行する仕組みだ。

同時にその他の置き薬についてもスキャンして期限の確認を行う。期限切れが近い商品を確認し、回収して新しい薬と交換することになる。

「RZ-H240」で読み取ったデータは毎日無線通信によって営業所のパソコンに送ることになっており、薬の配置状況が一括管理されており、毎日本社にも送られる。顧客の家庭に配置された薬の期限切れ状況は、営業所や本社のパソコンでも確認することができるという仕組みだ。

  • 写真:石橋孝二氏 / 清水竜司氏

    石橋孝二 氏 / 清水竜司 氏

本社では、個別の期限管理と同時に、入出庫のデータが蓄積されるため、在庫管理も効率的に行なうことができる。

同社の石橋孝二氏は「これまでは紙ベースで管理してきましたが、担当者は訪問計画にしたがって、PCでお客様の家庭にどんな薬があり、いつごろまで配置期限があるのかが確認できるようになりました」という。

こうした商品管理を徹底することで、ミスを防ぎ、業務の効率化が実現した。

さらに同社の清水竜司氏は「もうひとつのメリットは、販売データがリアルタイムで把握できるようになった点です。「RZ-H240」から営業所のPC、さらに本社へと、販売データが毎日送られます。これまでは一定の間隔で報告されたデータを手入力していましたから、リアルタイムでの情報更新ができませんでした。今では常に状況を確認しながら売れ筋の確認や分析もできるようになりました」と指摘している。

8月に導入してから2か月程度だが、業務の効率化効果は明確に現れているという。

将来の活用イメージ

本社とさらに連携するシステムの構築も視野に

現在同社のシステムでは、商品マスターの元データや顧客の個人情報などは本社で管理し、その変更などはSDカードで各営業所に移動させる仕組みをとっている。

これは通信事故によってデータが途切れることを防ぐためだ。しかしいずれは通信で本社と各営業所を直結したいという意向を持っている。

また円谷氏は「データの集積がリアルタイムでできるようになったので、今後はさらに分析の精度を上げていきたい。今までわからなかったことが徐々に見えてくると考えています。例えばお客様の年齢層別分析や、品目ごとのターゲティングなど。より的確な販促につながるデータ活用ができるのではないかと期待しています」

顧客の家庭を訪問しながら、薬を配置していくという伝統的なビジネス。信用をベースにしたこうした事業分野においても、「RZ-H240」の導入による業務改革のメリットは大きいようだ。

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