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DXへの取り組み

DXへの取り組みについて

この数年間で社会環境は大きく変化し、以前の経済活動とは異なる様相を呈しています。消費活動においてはオンラインショッピングが拡大し、それに伴いキャッシュレス決済も活発化しています。さらに、IoTやデバイス技術の進化によってスマート家電やウェアラブルデバイスの開発が進み、AIがユーザーの行動を学習し、個々のお客様に合わせたサービスを提供することが可能となりました。企業においては、人手不足が深刻化し、業務効率や生産性の向上が急務となっています。大量のデータの収集と解析が容易になったことより、AIやIoTを活用したソリューションが次々に生まれています。

このような社会環境の変化に対して、我々の事業活動においても、様々な変化が生まれています。例えば、一般消費者向け事業では、高齢化社会等の社会課題に対応して、AIoT対応家電の使用状況を遠隔で見守る「高齢者見守りシステムサービス(石川県能美市)」の開始や、防災レジリエンスとして家電データと発話機能を防災・減災用途へ活用する実証実験をつくば市と行うなど、新たなソリューションの展開に取り組んでいます。また、法人向け事業であるスマートワークソリューション事業では、デジタル化の進展によりオフィスでのプリント需要が減少する一方で、コンビニエンスストアに設置した当社の複合機を利用したネットワークプリントサービスや行政サービスの利用が拡大しています。システムソリューション事業では、人手不足を解決するソリューションとして、自動搬送ロボット(AGV)や物流・倉庫の自動化ソリューション、AIを活用したコールセンターソリューション、液晶やLEDディスプレイを活用した最適なコンテンツを配信するディスプレイソリューションなど、様々な業種・業態のお客様のご要望にお応えするシステムソリューションを提供しています。当社は社会環境の変化をチャンスと捉え、お客様のニーズや社会課題を解決するために最適なソリューションを構築し、新たな価値の創出に取り組んでいます。

当社は、シャープグループの事業ビジョンである「8K+5GとAIoTで世界を変える」のもと、データとデジタル技術を活用することによって新しい製品・サービス、新しいビジネスモデルを生み出し、顧客との新しい関係性を通して新たな価値の創出に取り組んでいます。新たな価値を創出するためには、ハードウェア中心のビジネスから、ハード・ソフト・サービスを融合させたシステムの創出、さらには様々なシステムを連携させた独自のソリューションを提供するソリューションビジネスへの事業変革が必要であり、そのために必要な業務プロセスを改革し、新たな発想を生み出せる人材を育成し、企業文化を変えて行きます。

具体的には、2023年1月にDX認定を取得し、新たな価値の創出に向けて、2023年度は第1フェーズである「デジタル基盤の構築」に取り組んでまいりました。2024年度は第2フェーズである「デジタルを活用した新たなビジネスモデルの創出」への移行を目指し、システムの再構築を行い、業務プロセスの効率化を進めている段階です。その中で、後述するシステムの統合や、新たなワークフローシステムの導入、社員のスキル変革など、社内改革を進めております。今後さらに、データとデジタル技術を活用して、業務プロセスや人材、企業文化の変革に取り組んでまいります。

シャープマーケティングジャパン株式会社
代表取締役社長大山 貞

当社は、データとデジタル技術を活用したソリューションビジネスへの事業変革を達成するため、【1】新規サービス・ソリューションの創出に向けた仕組みの構築と【2】デジタル人材の育成と確保の2テーマに重点的に取り組んでいます。

1新規サービス・ソリューションの創出に向けた仕組みの構築

<業務プロセスにおける仕組みの構築>

(1)第1フェーズ:業務プロセスの見直しと業務システムの再構築(2023年度)

  • 基幹システムの刷新に合わせ、各事業で個別に処理してきた様々な共通業務を集約し、合わせて組織的な融合も図るべく検討を進めてきました。例えば、販売店様向けのオンライン受注システムを導入することにより、商品・パーツ・サプライ共通の発注、在庫・納期照会を実現しました。2023年度末までに85%を電話・FAXから、スマートフォン・パソコンを利用した受発注に切り替え、2026年90%の切り替えを目標に、利便性向上に取り組んでいます。

(2)第2フェーズ:業務プロセスの効率化、自動化へ(2024年度~)

  • 発注業務のペーパーレス化、修理システムの再構築など、引き続き業務プロセスの効率化に取り組みます。
  • 取引先別に複数に分かれているWEBサイトを統合化、利便性を追求するとともに、サイトを活性化し、攻めのDXに向けた基盤構築を進めます。
  • 従来の業務システムでは難しかったサブスクリプションやシェアリングなどの新しいビジネスモデルへの対応を短期間で実現可能とする新しい業務システムの開発を進めています。これにより、多様化するお客様の要望にいち早く応える体制が整い、新規サービスやソリューションを提供するまでのリードタイム短縮化を図ることが可能となります。

<マーケティング・営業・サービス活動における仕組みの構築>

(1)第1フェーズ:マーケティング・営業・サービス活動のデジタル化(2023年度)

  • SFAの活用範囲を見直し、案件情報の共有から、営業活動やお客様情報の見える化に取り組みました。
    ホームページへの問い合わせや、ショールーム等で獲得したお客様の情報をSFAに統合し、顧客別の提案状況やお客様の反応などをリアルタイムに把握することが可能となりました。

(2)第2フェーズ:データ分析による顧客戦略立案へ(2024年度~)

  • 第2フェースでは、更なるデータの集約化を進め、データを分析し戦略立案に活かせる仕組み作りを進めます。
  • 集約したデータを活用し、ホームページでのタイムリーな情報掲載や、ターゲティングされたメールマガジンでのWebコンテンツへの誘導を通じて、ナーチャリングを強化します。また、既存のテレコールなどのアプローチをさらに充実させ、インサイドセールスにて顧客との接点を広げていきます。

2デジタル人材の育成と確保

ITやAIに関連する高い知見を有する人材、デジタル技術活用によるビジネス変革ができる人材の育成と確保に向けて、社内外での学習機会の拡充と新しい人材の採用活動を幅広く行っています。

(1)第1フェーズ:変革を受け入れられる風土の醸成(2023年度)

  • 当社のDX推進への取り組みについて、現在の立ち位置を正しく理解し、企業変革に向けて社員のベクトルを合わせるために、経営幹部を含む全社員対象のeラーニングを実施しました。
  • グループ全社で知識を共有し、レベルアップを図るため、各拠点をオンラインで接続したグループ全社勉強会を開始。
    当日参加出来なかった社員も後日動画視聴できる環境を用意しています。

(2)第2フェーズ:新たな価値を創出できる人材、デジタル技術活用によるビジネス変革ができる人材の育成(2024年度~)

  • 2024年度より、デジタル時代のスキル変革に向け、DX人材育成に向けた具体的な推進施策として、全社員にITパスポートの取得を推奨しています。
    また、法人向け事業を担当する部門を皮切りに、DXビジネス検定の資格取得に向けた学習を開始し、デジタル時代に則した社員のスキル変革に取り組んでいます。

加えて、様々な分野のお客様の多種多様な課題に対して、ITスキルを活用して解決に導く、高いコミュニケーション力を備えた営業職の採用や、アプリケーションシステム構築から導入後の保守運用などの経験があるSE職の獲得に向けて、引き続き採用活動を強化し、人材の確保に取り組んでいます。

3推進体制

DX推進委員会

社長がオーナーとなり、管理部門、IT部門及び各分社の経営企画部門の責任者が参画するDX推進委員会を設置し、DX戦略のロードマップ検討やプロジェクト全体の進捗管理を行っています。期初の方針徹底会ではDX推進委員会で協議した内容を幹部承認の下、全社員に周知しています。

4生産性向上に向けた環境整備

(1)基幹システムの刷新

2017年10月の3社合併によるシャープマーケティングジャパン株式会社発足に伴い、統合システム構築に向けたプロジェクトを発足、「①不要な業務の廃止」「②業務の共通化による業務効率の向上」「③システムのシンプル化によるIT経費の削減」をポリシーとして、基幹システムの移行から運用、周辺システムへの拡張に向けて取り組んでいます。
また、内部統制面においても、統制対象システムの統合・共通化により、標準統制手続きの範囲拡大を図っています。

(2)業務の効率化に向けたITシステムの積極活用

社内コミュニケーションツール「LINC Biz」(ビジネスチャット、音声/ビデオ会議機能搭載)を活用し、コミュニケーションプロセスの改善を実現しました。

LINC Biz

自社開発のクラウド型Web会議サービス「TeleOffice」を積極活用し、時間の効率化と移動コストの削減を実現すると同時に、資料共有機能を利用したペーパーレス会議の浸透を進めました。

TeleOffice

社内開発のスマートフォンアプリで、内線電話を刷新。事務所以外の場所でも通話が可能となる等利便性が向上し、業務スピードがアップしました。

法人向けAQUOS
LINC Biz emm

テレマティクスサービス「LINC Biz mobility」を導入し、運転日報を電子化。紙の運転日報が廃止され、社内業務の工数削減に繋がりました。

LINC Biz mobility

社内で業務利用できるAIチャットボットを社員各々が活用し、使い方や効率化について、グループ全社で共有しています。

時代の変化に伴い、古くなった内製の勤怠システムを刷新し、様々な働き方に対応できるようになりました。

2024年度より、新たな従業員エンゲージメントサーベイシステムを導入。社員の会社に対する共感度合いを可視化し、組織運営の改善につなげています。

5目標とする指標

上記【1】新規サービス・ソリューションの創出に向けた仕組みの構築と【2】デジタル人材の育成と確保の達成度を測るため、目標とする指標を以下の通り、設定しています。

① システムのシンプル化・共通化による業務の効率化率
② デジタル技術に関する研修の受講率
③ ITスキル向上に向けた資格の取得率